アメリカ人夫の永住権申請が9ヶ月目。書類20種類、申請中に制度が変わった話
夫が永住権を申請したのは2025年8月。
政府が永住権制度の厳格化を発表したのは2026年1月。
申請から9ヶ月経った今も、私たちの申請が 新ルールと旧ルール、どちらで審査されるのか ──誰も答えられません。
「住民票と納税証明書、取ってきてくれる?休みの日に永住権の申請出すから」
火曜日の夜、夫はそう言いました。休みは木曜日。
「あのー、書類って 取りに行くのにも時間かかるんですけど 」
これでも、今振り返れば一番ラクなパートでした。
全部読む時間がない人へ(先に結論だけ)
- 配偶者ビザではなく永住権を選んだ理由:夫は更新疲れ。私は「もし何かあったら」の不安疲れ
- かかった期間:2025年8月申請 → 2026年5月時点で 約9ヶ月 待機中
- これまでにかかったお金:申請料8,000円+各種証明書で、合計1万円ちょい。※2026年1月以降、申請料の上限が 30万円 に引き上げ
- 一番の想定外①:申請後に夫が転職+大阪から地方へ引越し。入管に追加書類を出しに行きました
- 一番の想定外②:申請中に政府が永住権ルールを厳格化。N2要件・収入基準が議論されています
- 配偶者ビザのままだと困ること:万一夫婦に何かあったとき、夫の在留資格が私に紐づいたままになる。これは双方にとって落ち着かない話
なぜわざわざ永住権を取りに行ったのか
正直に言うと、好きで入管に書類を出しに行く人はいません。
それでも申請するのは、だいたいこの3つに疲れてくるからです:
- 更新サイクル。1〜3年ごとに同じことを繰り返す
- 「もし離婚したら」の計算。配偶者ビザだと、この話題が地味に気まずい
- 無意識に「これビザ的に大丈夫?」で物事を判断してしまっている疲れ。やめてみて初めて気づく
私たち夫婦の決め手は、シンプルでした。
「永住権って、申請してから結果が出るまで すごく時間がかかるらしい。配偶者ビザの期限がたっぷり残っているうちに、出すだけ出してしまおう」
これだけ。あとは、住宅ローン相談のときに銀行員にさらっと「ご主人、永住権はお持ちですか?」と聞かれたのも、最後のひと押しになりました。
書類の山:10〜20種類、それぞれ数枚ずつ
夫はこの申請にものすごく真面目に取り組んでいました。チェックリストを印刷し、書類を色分けし、ファイルに番号をふっていました。
ただし、税金関係の書類は 全部こちらに丸投げ。
- 「これは課税証明書?それとも納税証明書?同じに見えるんだけど」
- 「ねえ、これって過去3年って書いてあるけど、こっちは5年って書いてある。結局どっちなの?」
- 「英語版だと income certificate なのに、tax certificate と違うって、どういう仕組み?」
これは責められません。日本の納税系書類のファミリーツリーは、 日本人配偶者でもググります 。
そして、いちばん大変だったのは市役所の書類ではなく、 税務署まで足を運んで取り寄せる書類 でした。
「これ、市役所で出してくれないの?税務署って…どこ?」
はい。違うところです。同じ町にあります。車で行きました。
永住権申請の準備期間で、 税務署の書類が事実上のラスボス でした。「PR申請はワンストップで終わります」と誰かに言われたら、ちょっと疑ってください。
書類の種類はだいたい10〜20種類、複数枚にわたるものも含めると クリアファイル1冊分 くらいのボリュームになりました。お金の方は、変更前ということもあって、申請料8,000円+住民票・納税証明書・写真などで 合計1万円ちょっと。痛い金額ではありませんでした。
…が、この「安かった」も過去のものになりつつあります。2026年の制度変更で、永住権申請料の 上限が30万円 まで引き上げられ、実際の運用は数万円〜数十万円の範囲で設定される見込みです(※2026年5月時点の情報。最新は入管庁の公式情報でご確認ください)。
外国人の知人が、ぴしゃりと言っていました。
「申請料を欧米並みに上げるなら、 給料も欧米並みに上げてほしい ですけどね」
ぐうの音も出ません。
申請日:開門前から並ぶ夫
夫は何事も20分前行動の人です。病院も、子どもの送迎も、電車も。
申請当日も、入管の開門前から並びました。それでも前にすでに何人かいたそうで、「ちょっと負けた」と少し悔しそうに帰ってきました。
夫いわく、入管は 時間が遅くなるほど待ち時間が長くなる。朝イチで並ぶか、半日捨てる覚悟でいくか、二択です。
息子たちは連れて行きませんでした。お祝いランチもなし。夫は帰ってきて「出してきた」とだけ言って、お茶を入れました。盛り上がりに欠けるのも、永住権申請の様式美です。
想定外その①:申請後に転職した
申請から2ヶ月後、私たちは週末に2つの大きな決断をしました。 夫の転職 と 大阪から地方への引越し です。
入管がどんな顔をしたかは、ご想像にお任せします。
私たちは入管に電話で確認し、新しい勤務先・新住所・新しい収入証明を 追加書類として提出し直し ました。手間ではありましたが、入管の対応は淡々と親切。 中の人たちは「外国人にも人生がある」ことに慣れています。
(同じ立場の方が読んでいたら:申請後の転職は終わりではありません。きちんと連絡して、書類を追加して、消えなければ大丈夫です。)
想定外その②:申請中にルールが変わった
2026年1月、政府が永住権制度の厳格化を発表しました。記事執筆時点(2026年5月)で見えている主な変更点はこちら:
- 日本語能力要件の追加(JLPT N2以上 が想定されている)
- 標準的な収入要件(年収 350万円 あたりが議論されている水準)
- 申請手数料の上限 30万円 への引き上げ
- 永住権申請の前提となる長期ビザの厳格化(5年ビザ保持者限定、2027年4月から)
(※繰り返しになりますが、最新の数字や運用は 入管庁の公式情報 で確認してください)
私たちの申請は2025年8月 ── 旧ルール下 で提出しました。にもかかわらず、新ルールが適用される可能性があるのか、申請が継続審査されるのか、 今のところ誰にも分かりません。入管の窓口で聞いても、明確な答えは返ってきませんでした。
夫は2019年に就労ビザで来日、2020年に配偶者ビザに切り替え、現在の在日年数は 約7年。アメリカでも、これだけ同じ街に住んでいた時期はありません。N2はおそらく1年以内に取れる目算ですが、 取らなくていいのか、取らなきゃいけないのか が分からないのが、地味にしんどい。
同じ立場の国際カップルに伝えたいこと
以前は「とにかく早く申請しろ」と言っていたと思います。制度が厳格化された今、それだけだとちょっと違う気がします。アップデート版がこちら:
- 永住権の計画とは別に、日本語の勉強は早めに始めておく。N2は永住権でも仕事の幅でも、これからますます効いてきます。 永住権がなくても、N2があるだけで応募できる仕事の範囲が広がります。
- 日本人配偶者が「証明」できる紙の整理を、ふだんから少しずつ。制度が途中で変わったとき、過去の納税証明・住民票・確定申告のコピーを、4時間の発掘調査なしに出せる状態にしておくと、本気で救われます。
- 書類リストを申請2日前に配偶者に渡さない。これ、強調しすぎるということはないと思います。
まだ、待っています
申請から9ヶ月。次の郵便が届く頃には10ヶ月になっています。
夫は最近、ポストを開ける頻度が少し増えました。先週、5歳の長男に「えいじゅうけんって、おもちゃの種類?」と聞かれ、3歳の次男が自信満々に「うん」と答えていました。
新ルールと旧ルール、どちらで審査されるのか。手数料を追加で払うのか払わないのか。次に動くべきは祝いラーメンなのかJLPT N2の問題集なのか。何もまだ分かりません。
もしあなたが今、似たような待機ループの中にいるなら、こんにちは。 同じ待合室にいます。
追伸:結果が出たら Part 2 を書きます。
これは私たちの個人的な体験談であり、金融・税務アドバイスではありません。